為替相場(FX)の中国元が切り上げた影響

ゴールドマン告発を受けた株式市場の動き・・・金融セクター全体に動揺が広がる恐れ中国の金融引き締め・人民元切り上げ観測・・・株式市場・コモディティ市場圧迫し、リスク回避ムードにギリシャの資金繰り不安・・・20日に82億ユーロの国債償還。英国総選挙・・・3大政党の支持率拮抗で政局不透明感。アイスランドの火山噴火・・・交通マヒ続けば欧州の経済的損失拡大も。カナダ中銀理事会・・・7月の利上げ開始を示唆するか。

中国元が切り上げられたら・・・

「中国元が切り上げになると為替市場にはどういった影響があるのか?」こうした質問を多くいただくようになりました。

 

ご存じの方も多いと思いますが、まずは中国元がどういった通貨であるか確認してみましょう。中国元は英名ではChinese Remembi(レンメンビ)、通貨コードはCNYです。最近はその動きが注目されていますが、中国元そのものは自由に売買できる、いわゆるハードカレンシー(国際通貨)ではありません。中国政府による規制の下、国内市場(オンショア市場)のみの取引となっています。なおかつ中国の外国為替市場の銀行間取引市場(インターバンク)には以下のような規制があります。

 

1.会員制

取引に参加するためには、申請・許可を受けて中国外貨取引センターの会員となる

 

2.管理変動相場制中国外貨取引センターで外貨売買をして需給を調整・通貨バスケット制を採用

 

3.中国元の為替レートには変動幅を設定対米ドルの変動幅:人民銀行が発表する米ドルの取引の仲値の上下0.5%以内

 

中国元の切り上げが注目されるのは、中国の経済発展に伴う世界における輸出競争力が増加したことが背景にあります。ほぼ固定された通貨レートの下、安価に大量の商品を世界に輸出する中国は先進諸国をはじめとする各国にとって脅威ともなります。商品が安価なのは、為替レートが「不当に」低く設定されているためで、本来の貿易力、経済力からすれば相応に通貨が強くなるべきである、というのが各国の意見なのです。

 

日本も過去において為替レートを固定し、変動相場制へと移行した後もその貿易黒字を米国から非難のターゲットにされ(日米貿易摩擦)、急激な

円高への推移を余議なくされた時期があります。その流れからいっても、中国が遅かれ早かれ通貨切り上げをせざるを得ないと言えるでしょう。先日のガイトナー米財務長官の訪中により、かなり早いタイミングで行われる様相になってきています。

 

ただし「切り上げ」といっても、一気に中国元高にするのではなく、規定の変動幅を現在の0.5%から0.7%前後に広げつつ、その基準値を少しずつ引き上げ、年間10%を超えない範囲で徐々に元高にする方向で検討しているということです。

 

では、その為替市場への影響は?といいますと、中国元の切り上げ=米ドル価値の低下 → 対ドルの他通貨の上昇、は考えられます。特に日本円は同じ「東アジア圏」として、規制通貨の中国元に代わって買われ、上昇する可能性はあります。現に2005年に中国元が切り上げられたときにも一時的に円高になりました。そのことからも、実際に切り上げが実施された直後は反応するとは思われますが、一時的な動きになる可能性も高く、市場は収斂されていくのではないでしょうか。

 

中国元が切り上げられると米ドルに代わって世界で中心的な通貨(覇権通貨)となるのではないか、という質問を受けることもあります。しかし、そのためにはまずはハードカレンシーであることが最低条件になります。つまり、あらゆる規制を除き、変動相場制にすることが必要です。

 

・国際的な通貨の信用があること

・通貨発行国に十分な財があること

・インターバンク取引が自由にできること(オンショア/オフショア)

・あらゆる場所での換金が可能なこと

 

そう考えると、中国元が市場の中心になるにはまだまだハードルが多くあり、時間がかかるものと考えられますね。

 

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